Q1. 指値は、指定した値段ちょうどで売買する注文?

買いの指値は「この値段以下」、売りの指値は「この値段以上」という条件です。例えば買い指値2,000円なら、2,000円を超える値段では買いません。売り指値2,000円なら、2,000円を下回る値段では売りません。条件内の、より有利な値段で成立することもあります。

一方、成行では売買する株数を指定し、価格の条件を置きません。東証の売買では成行が指値より優先されますが、価格の上限・下限を自分で固定できるわけではありません。「成行なら現在値で買える」と読み替えないようにしましょう。

根拠:日本取引所グループ:注文の種類・価格優先の原則、楽天証券:指値より有利な価格での成立。

Q2. 同じ200株を買っても、結果はどう変わる?

いちばん安い価格の売り注文だけでは株数が足りないと、成行は複数の価格で成立し、指値は一部だけ成立することがあります。次の架空の売り注文に対して、200株の買い注文を出す場面を考えます。価格ごとに売買注文の数量を並べた情報を「板」と呼びます。

  • 2,000円で売りたい注文が100株
  • 2,010円で売りたい注文が100株

比較の前提:取引時間中のザラバを想定し、ほかの注文や気配は変わらず、特別気配・売買停止なども起きないものとします。成行と指値を、同じ出発点から別々に試す説明用の例です。手数料などは含めません。

成行で200株を買う場合

この前提では、2,000円の100株と、2,010円の100株が順に成立します。株式の代金は、2,000円×100株+2,010円×100株=401,000円。平均すると1株2,005円です。最も安い売り注文が2,000円でも、200株すべてをその値段で買えるわけではありません。

2,000円の指値で200株を買う場合

2,000円の100株だけが成立し、代金は200,000円です。2,010円は条件を超えるため、その値段では買いません。残り100株は未約定となります。有効期間や執行条件、その後の注文状況に応じて、残りが成立するかどうかが変わります。

二つの金額の差を、そのまま得した額と考えることはできません。成立した株数が200株と100株で違うからです。この例で見たいのは、価格の条件と買える数量の関係です。

仕組みの根拠:SBI証券:成行と指値の違い・複数の値段での約定、日本取引所グループ:ザラバ方式。金額・数量は投資横丁が作成し、計算を検算した架空例です。

架空の注文比較。売り注文が2,000円100株と2,010円100株あるところへ200株を買う。条件が変わらないザラバの例では、成行は200株成立し代金401,000円。2,000円の指値は100株成立し代金200,000円、残り100株は未約定。手数料等を除く説明用の計算で、実際の約定を保証しない。
投資横丁作成。架空の板を使い、同じ出発点から二つの注文方法を比較しています。ザラバで注文・気配が変わらず、特別気配等がないという前提です。実際の市場データや約定予測ではありません。根拠:上記のJPX・SBI証券。確認日:2026年10月12日。

Q3. 株価が指値に届いたのに、買えていないのはなぜ?

その値段で取引があっても、自分の注文まで順番が回るとは限らないためです。ザラバでは、同じ価格なら先に出された注文が優先されます。前に並ぶ買い注文があり、売り注文の数量が足りなければ、自分の注文は未約定のままになることがあります。

したがって、「チャートで2,000円になった」と「自分の2,000円の買い注文が成立した」は別々に確認します。一部だけ成立している可能性もあるので、注文照会では注文株数、約定株数、残りの株数を見てください。寄付きなどの板寄せには別の扱いがあるため、ここでの先着順の説明をあらゆる場面に当てはめないでください。

根拠:SBI証券:指値に到達してもすぐに約定しない場合、日本取引所グループ:時間優先と同時呼値。

Q4. 成行なら、すぐに全部買える?

成行でも、必ずすぐに全株数が成立するとは限りません。売買の数量が偏る局面や特別気配などでは、通常どおりに成立しないことがあります。東証のストップ配分では、注文が配分されない証券会社が出る場合もあります。

また、成立したとしても、注文を入力している間の値動きや板の変化で、想定より高い買値・低い売値になることがあります。約定の早さだけを見て選ばず、値段が変わった場合も受け入れられる注文内容かを確認する必要があります。

根拠:日本取引所グループ:特別気配・ストップ配分、SBI証券:想定と異なる価格での約定。

Q5. 注文を確定する前は、どこを見る?

銘柄、売買の向き、株数、価格条件、有効期間をひとまとまりで読み返します。次は本記事が整理した確認用メモです。証券会社や注文方法によって、選べる項目や必要な資金が違います。

  • 対象:買いたい・売りたい銘柄で合っているか。現物・信用、口座区分も意図どおりか
  • 数量:何株を注文するのか。表示価格だけで予算内と判断していないか
  • 価格:成行か指値か。指値の場合は、買いの上限・売りの下限を正しく入力したか
  • 期間と条件:いつまで有効か。注文先市場やSOR、寄付・引けなどの条件を理解しているか
  • 必要資金:買付余力の拘束額と、適用される手数料を確認したか

例えばSBI証券では、通常の成行買いと指値買いで買付余力の拘束額の計算方法が違います。図の401,000円は架空の約定代金で、注文時に必要な買付余力を示す金額ではありません。実際の注文画面の見積額や公式説明を優先してください。

買付余力・注文条件の根拠:SBI証券:買付余力の拘束金額とSORの注意。同社固有の扱いを、他社へそのまま当てはめるものではありません。

Q6. 注文を出したら、何を確認すればいい?

受付の表示だけで終わらず、約定した価格・株数と、未約定の残りを確認します。売買の成立を「約定」と呼びます。注文が受け付けられたことと、希望する全株数の約定は同じではありません。

残りをどうするか考えるときは、有効期間と訂正・取消できる範囲も確認します。例えばSBI証券では、未約定注文の株数は訂正できず、変更したい場合は取消後の再発注を案内しています。同じ注文を追加する前に、元の注文が成立していないか、取消は完了したかを注文照会で確かめましょう。

訂正の条件:SBI証券:株式注文の価格・株数の訂正。操作方法や訂正できる範囲は利用先の公式案内を確認してください。

本文の架空例では指値200株の注文が100株の約定と100株の未約定に分かれる。成立価格・株数と残り・有効期間を注文照会で確認。取消後に再発注するなら、元の注文の成立状況と取消完了を確かめる。
投資横丁作成。Q2の架空の指値注文を、注文後の確認用に分けた図です。実際の約定結果や市場データではありません。訂正・取消の可否と方法は利用先で確認してください。数量は200株=100株+100株として検算。根拠:本節とQ2のSBI証券・JPX公式資料。

株式には値下がりによる損失のリスクがあり、元本は保証されません。指値は損失を防ぐ仕組みではなく、注文価格に条件を付ける方法です。本記事は注文の仕組みの一般情報で、個別銘柄や売買時期、注文方法を一律に勧めるものではありません。

投資信託の価格の決まり方は、申込日・約定日・受渡日の違いで説明しています。株を買う理由から整理したい場合は、投資と投機の違いも参照できます。